Final Cut Pro 6 - バランス型オーディオ信号について

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バランス型オーディオ信号について

オーディオケーブルには、使用目的に応じてバランス型とアンバランス型の

2

種類を使用できま

す。ケーブルが長い場合で、特に比較的低いマイクレベルを使用する場合には、

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本のワイヤを

使ったバランス型オーディオ回路によってノイズが減少します。バランス型オーディオケーブル

は位相のキャンセルという原理を使って、元のオーディオ信号を維持しながらノイズを除去し

ます。

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業務用のビデオおよびオーディオ装置を接続する

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IIIIIIIIIIII

バランス型オーディオケーブルは

2

つのワイヤに同じオーディオ信号を送りますが、片方の信号

の位相を

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度反転させます。

ノイズがケーブルに入ると、ノイズは通常の信号と反転した信号の両方に等しく干渉します。

信号がケーブルの端まで伝わると、反転した信号の位相が逆になり、

2

つの信号が一緒になりま

す。元の信号と反転した信号は同じ位相に戻りますが、各ワイヤのノイズ信号は位相が不一致と

なります。

元の信号

反転した信号(位相が逆)

ワイヤ上のノイズ
(両方の信号に影響)

反転した信号
(再度反転)

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Part III

編集システムを設定する

こうして、両方のオーディオ信号は同じ位相になりますが、ノイズは反転されてキャンセルされ

ます。同時に、

2

本のワイヤで送られた後に結合されたので、信号は元より少し強くなります。

この仕組みによって、長いケーブルでは当然起こる信号強度の減衰がカバーされます。

ケーブルが長くなることで生じるノイズのほとんどは、この過程で除去されます。

参考:アンバランス型ケーブルではノイズの除去ができないので、配線するケーブルが長い場合

や、マイク信号、およびそのほか業務用途には不向きです。