Final Cut Pro 6 - 取り込みに対してアナログオーディオレベルを調整する

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取り込みに対してアナログオーディオレベルを調整する

テープの先頭にはカラーバーと共にオーディオ基準トーンも記録されている場合があり、通常こ

れは

1 kHz

(キロヘルツ)で、アナログメーターの

0 dB

(デシベル)に設定されています。すで

にオーディオがミックスされたマスターテープから取り込む場合、すべてのオーディオレベルが

この基準トーンのレベルを基準にしてミックスされているはずです。

この目的は、取り込み先ディスクにオーディオを取り込むときに、オーディオ信号に与える影響

をできるだけなくすことです。取り込み後に、オーディオレベル調整を行うことをお勧めします。

Final

Cut

Pro

」で行うレベル変更はノンディストラクティブだからです。必要なときにはいつ

でも、元のオーディオレベルに戻すことができます。

ロケで記録されたテープからオーディオを取り込む場合、テープの先頭の基準トーンはレベルの

設定のよい目安となりますが、ショットごとにオーディオが大きく変化する可能性があります。

この場合大切なのは、可能な限り最適なオーディオレベで録音するために、オーディオインター

フェイスでオーディオゲインを調整することです。取り込み中のオーディオのクリッピングを回

避するように、レベルを設定します。クリッピングのあるオーディオは、業務用の制作では使う

ことのできない、音の割れた、歪んだ音になります。

1

つの設定を、テープ上のすべてのクリッ

プに使用できる場合もあります。あるいは、それぞれのクリップのオーディオレベルを個別に調

整することが必要な場合もあります。これはすべて、テープ上でオーディオレベルがどの程度変

化するかによって決まります。

参考:デジタルオーディオを取り込む場合は、ゲインレベルがすでに設定されており、変更する

ことはできません。

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18

オーディオを取り込む

303

IIIIV

V

V

V

アナログオーディオを取り込む前にオーディオのゲインレベルを調整するには:

1

「切り出しと取り込み」ウインドウの「 クリップの設定」タブをクリックします。

2

以下のいずれかの操作を行います。

Â

事前にミキシングされたテープから録音していて、基準トーンを含んでいる場合、テープの先

頭に録音された基準トーンを頭出しします。

Â

テープ上の取り込むすべてのクリップの中でオーディオ信号のレベルが最も高いクリップを

頭出しします。

3

テープを再生します。

4

デッキから送られたレベルが、オーディオインターフェイスのオーディオ入力メーターと合って

いるか確認します。

5

「切り出しと取り込み」ウインドウの「クリップの設定」タブで、オーディオを取り込むチャン

ネルを有効にします。

6

Final

Cut

Pro

」のオーディオメーターがデッキのメーターと同等になるように、オーディオイ

ンターフェイスの各オーディオ入力でゲインを調節します。

アナログメディア形式のトーンは、通常

0 dB

(アナログ)に設定されています。

Final

Cut

Pro

のオーディオメーターで、対応するデジタルレベルを選択する必要があります。選択するレベル

は、オーディオを取り込むために使用しているビット深度と、オーディオのダイナミックレンジ

の幅に依存します。

Â

16 ビットオーディオ: 一般的に、

0dB

のアナログトーンが、デジタルの−

12dBFS

に等しくな

るように設定します。

Â

20 ビットまたは 24 ビットオーディオ:

0dB

のアナログトーンが、−

20dBFS

または−

18dBFS

に等しくなるように設定します。

ビット深度の詳細については、

Volume

3

の第

1

章「オーディオの基礎」を参照してください。

重要:

歪みを避けるには、オーディオレベルが「

Final

Cut

Pro

」のオーディオメーターで

0dBFS

を超えないようにします。

一般的な

VU

メーター

Final Cut Pro

オーディオメーター

-30

-20

-10

-7

-4

-2

0

+2

+4

+7

-66

-36

-24

-18

-12

-6

0

アナログの

0dB

はデジタルの

–12dB

に相当

-48

-

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304

Part IV

切り出し、取り込み、および読み込み

デバイスコントロールを使用してオーディオデッキからオーディオ
を取り込む

Final

Cut

Pro

」を用いると、業務用

DAT

(デジタルオーディオテープ)デッキまたはデジタル・

マルチトラック・レコーダなどのような、デバイスコントロール可能なオーディオデッキから

オーディオを取り込むことができます。この機能は主に、ビデオとオーディオを別々の装置に同

時に記録したデュアルシステム録音からオーディオを取り込むときに便利です。

ビデオの取り込みと同様に、オーディオテープにはタイムコードを記録する必要があります。そ

うしないと、取り込みのイン点とアウト点を設定することができません。オーディオデッキが

Final

Cut

Pro

」でサポートしている標準デバイス・コントロール・プロトコル(一般的に

RS-

422

)を使用している場合は、コントロール可能な場合もあります。

デバイスコントロールを使用してデュアル・システム・オーディオを取り込む場合は、取り込み

に使用するオーディオ/ビデオインターフェイスにオーディオデッキがゲンロックされている

ことを確認してください。デバイスコントロール可能なオーディオデッキとコンピュータの接続

の詳細については、

198

ページの「

業務用オーディオデバイスを接続する

」を参照してください。

同期したオーディオの取り込みの詳細については、

Volume

4

の第

25

章「取り込み設定と取り

込みプリセット」を参照してください。