取り込みに対してアナログオーディオレベルを調整する
テープの先頭にはカラーバーと共にオーディオ基準トーンも記録されている場合があり、通常こ
れは
1 kHz
(キロヘルツ)で、アナログメーターの
0 dB
(デシベル)に設定されています。すで
にオーディオがミックスされたマスターテープから取り込む場合、すべてのオーディオレベルが
この基準トーンのレベルを基準にしてミックスされているはずです。
この目的は、取り込み先ディスクにオーディオを取り込むときに、オーディオ信号に与える影響
をできるだけなくすことです。取り込み後に、オーディオレベル調整を行うことをお勧めします。
「
Final
Cut
Pro
」で行うレベル変更はノンディストラクティブだからです。必要なときにはいつ
でも、元のオーディオレベルに戻すことができます。
ロケで記録されたテープからオーディオを取り込む場合、テープの先頭の基準トーンはレベルの
設定のよい目安となりますが、ショットごとにオーディオが大きく変化する可能性があります。
この場合大切なのは、可能な限り最適なオーディオレベで録音するために、オーディオインター
フェイスでオーディオゲインを調整することです。取り込み中のオーディオのクリッピングを回
避するように、レベルを設定します。クリッピングのあるオーディオは、業務用の制作では使う
ことのできない、音の割れた、歪んだ音になります。
1
つの設定を、テープ上のすべてのクリッ
プに使用できる場合もあります。あるいは、それぞれのクリップのオーディオレベルを個別に調
整することが必要な場合もあります。これはすべて、テープ上でオーディオレベルがどの程度変
化するかによって決まります。
参考:デジタルオーディオを取り込む場合は、ゲインレベルがすでに設定されており、変更する
ことはできません。
第
18
章
オーディオを取り込む
303
IIIIV
V
V
V
アナログオーディオを取り込む前にオーディオのゲインレベルを調整するには:
1
「切り出しと取り込み」ウインドウの「 クリップの設定」タブをクリックします。
2
以下のいずれかの操作を行います。
Â
事前にミキシングされたテープから録音していて、基準トーンを含んでいる場合、テープの先
頭に録音された基準トーンを頭出しします。
Â
テープ上の取り込むすべてのクリップの中でオーディオ信号のレベルが最も高いクリップを
頭出しします。
3
テープを再生します。
4
デッキから送られたレベルが、オーディオインターフェイスのオーディオ入力メーターと合って
いるか確認します。
5
「切り出しと取り込み」ウインドウの「クリップの設定」タブで、オーディオを取り込むチャン
ネルを有効にします。
6
「
Final
Cut
Pro
」のオーディオメーターがデッキのメーターと同等になるように、オーディオイ
ンターフェイスの各オーディオ入力でゲインを調節します。
アナログメディア形式のトーンは、通常
0 dB
(アナログ)に設定されています。
「
Final
Cut
Pro
」
のオーディオメーターで、対応するデジタルレベルを選択する必要があります。選択するレベル
は、オーディオを取り込むために使用しているビット深度と、オーディオのダイナミックレンジ
の幅に依存します。
Â
16 ビットオーディオ: 一般的に、
0dB
のアナログトーンが、デジタルの−
12dBFS
に等しくな
るように設定します。
Â
20 ビットまたは 24 ビットオーディオ:
0dB
のアナログトーンが、−
20dBFS
または−
18dBFS
に等しくなるように設定します。
ビット深度の詳細については、
Volume
3
の第
1
章「オーディオの基礎」を参照してください。
重要:
歪みを避けるには、オーディオレベルが「
Final
Cut
Pro
」のオーディオメーターで
0dBFS
を超えないようにします。
一般的な
VU
メーター
「
Final Cut Pro
」
オーディオメーター
-30
-20
-10
-7
-4
-2
0
+2
+4
+7
-66
-36
-24
-18
-12
-6
0
アナログの
0dB
はデジタルの
–12dB
に相当
-48
-
∞
304
Part IV
切り出し、取り込み、および読み込み
デバイスコントロールを使用してオーディオデッキからオーディオ
を取り込む
「
Final
Cut
Pro
」を用いると、業務用
DAT
(デジタルオーディオテープ)デッキまたはデジタル・
マルチトラック・レコーダなどのような、デバイスコントロール可能なオーディオデッキから
オーディオを取り込むことができます。この機能は主に、ビデオとオーディオを別々の装置に同
時に記録したデュアルシステム録音からオーディオを取り込むときに便利です。
ビデオの取り込みと同様に、オーディオテープにはタイムコードを記録する必要があります。そ
うしないと、取り込みのイン点とアウト点を設定することができません。オーディオデッキが
「
Final
Cut
Pro
」でサポートしている標準デバイス・コントロール・プロトコル(一般的に
RS-
422
)を使用している場合は、コントロール可能な場合もあります。
デバイスコントロールを使用してデュアル・システム・オーディオを取り込む場合は、取り込み
に使用するオーディオ/ビデオインターフェイスにオーディオデッキがゲンロックされている
ことを確認してください。デバイスコントロール可能なオーディオデッキとコンピュータの接続
の詳細については、
198
ページの「
業務用オーディオデバイスを接続する
」を参照してください。
同期したオーディオの取り込みの詳細については、
Volume
4
の第
25
章「取り込み設定と取り
込みプリセット」を参照してください。