本のテープにおけるタイムコード番号の重複を避ける技法
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本のテープでタイムコード番号が重複していると、切り出し中と取り込み中に非常にいら立つ
ことになる可能性があります。カメラオペレータが、家庭用ビデオカメラを使用するときは特に、
この問題を認識してから撮影するように注意してください。
参考:ビデオカメラは、数分間アイドル状態にすると、バッテリー電力を節約するため、自動的
にオフに切り替わることがあります。ビデオカメラで
AC
電源を使用すれば解決できますが、こ
れは実用的でないこともあります。
家庭用
DV
ビデオカメラで撮影している場合に、タイムコードカウンタのリセットを避ける方法
は次の通りです。
Â
プロダクション前にそれぞれのテープでビデオ信号をあらかじめ記録し(できれば黒み)
、テー
プ全体で連続したタイムコード信号を作成します。
これは、テープのブラッキングと呼ばれます。レンズにキャップをしてマイクを切断した(オー
ディオ信号の記録を避ける)状態で録画ボタンを押せば、どのビデオカメラでもこれを実行で
きます。より専門的な解決方法では、
DV
デッキとその内部のブラックジェネレータを使用し
ます。一部の
DV
デッキでは、テープを開始するタイムコード番号を選択することもできます。
Â
タイムコードを記録せず、ビデオ情報とオーディオ情報がコピーされるように、テープをダビ
ングします。
ダビングしたテープを新しいソーステープにして、そのソーステープから取り込むことができ
ます。
第
16
章
クリップを切り出す
269
IIIIV
V
V
V
Â
制作中に、テープの位置に注意します。
ビデオカメラは、テープに書き込まれている最終タイムコード番号をすばやく読み取り、連続
したタイムコードを作成しようとします。最後に記録されたタイムコード番号に基づいて新し
いタイムコードを生成する処理は、タイムコードのジャム同期と呼ばれます。しかしビデオカ
メラがタイムコードやビデオ信号をテープで確認しない場合(ブランクテープの先頭など)、
タイムコードカウンタはゼロにリセットされます。
電源をオフにしなければ、
DV
ビデオカメラは、テープの最終タイムコード番号を非常に適切
に探します。ビデオカメラの電源をオフにしてしまった場合は、再び記録しはじめるとき、数
秒間テープを巻き戻し、テープにすでに書き込まれているタイムコードをビデオカメラがジャ
ム同期できるようにすることが、最適な解決方法です。論理的には、この方法により、ほとん
どのタイムコードの問題を解決できます。しかし実際には、常に忘れずに巻き戻すことは難し
く、巻き戻しすぎて、前の撮影に部分的に重ねて記録しないようにテープを頭出しすることに
時間がかかってしまうことがあります。
この方法を使用するときのヒントがあります。それぞれの撮影の終了後、記録を数秒間続けて
ください。ビデオカメラの電源をオフにしてからオンにした場合でも、重要な素材に重ねて記
録する心配をせずに、前のショットに数秒間巻き戻すことができます。