「ビューア」のオーディオコントロールについて
「ビューア」のオーディオタブをクリックしたときにウインドウ下部に表示されるコントロール
は、
「ビデオ」タブのコントロールと同じです。これらのコントロールを使って、クリップ上を
移動したり、イン点やアウト点、マーカーを設定したり、スプリット編集項目を作成したりする
ことができます。オーディオタブに表示されるイン点やアウト点も、「ビデオ」タブに表示され
るイン点やアウト点と同じです。同様に、ウインドウ上部の領域にある
2
つのタイムコードフィー
ルドも、
「ビデオ」タブにあるフィールドと同じです。コントロールとフィールドの詳細につい
ては、
Volume
1
の第
6
章「ビューアの基本」を参照してください。
以下のコントロールは、オーディオタブにしかありません。
Â
波形表示部: オーディオクリップがグラフで表され、時間の経過と共に変化するオーディオサ
ンプル値が表示されます。波形表示部をズームインすると、波形の細かい部分を見ることがで
きます。波形の任意の部分をクリックすると、クリックしたフレームに再生ヘッドが移動し、
ドラッグすると、クリップがスクラブされます。
Â
パンオーバーレイライン: この線を上下にドラッグして、このクリップのパンを変更します。
オーバーレイにキーフレームを追加すると、時間の経過と共にパンを変化させることができ
ます。
Â
レベルオーバーレイライン: この線を上下にドラッグして音量レベルを変更します。オーバー
レイにキーフレームを追加すると、時間の経過と共にレベルを変化させることができます。
ズームスライダ
「リセット」ボタン
「レベル」スライダでは
音量を調整します。
波形表示部
「パン」スライダでは
ステレオ音の配置を
調整します。
レベルキーフレームボタン
ルーラ
レベルオーバーレイライン
パンオーバーレイライン
ドラッグハンド
パンキーフレームボタン
ズームコントロール
290
Part II
ラフ編集
Â
「レベル」スライダ: このスライダでは、現在選択しているオーディオクリップの振幅、つま
り音量を+
12dB
∼−無限大の間で調整します。このスライダをドラッグすると、
「
dB
」フィー
ルドの数値とレベルオーバーレイラインの両方が更新されます。
「レベル」スライダの右の「
dB
」フィールドに数値を入力することによって音量を調整するこ
ともできます。たとえば、
6.23
のように、小数点の値を入力できます。
現在のクリップにレベルキーフレームがない場合は、
「レベル」スライダを調整すると、クリッ
プ全体のレベルが変化します。レベルキーフレームがある場合は、このスライダを動かすと、
以下のいずれかになります:
Â
現在再生ヘッドがある位置のキーフレームのレベルが変わります。
Â
レベルオーバーレイに新しいキーフレームが追加され、そのキーフレームのレベルが変化し
ます。
2
つのキーフレーム間のレベルの変化は、
「ビューア」のオーディオタブにレベルオーバーレ
イラインの傾斜として表示されます。
「ビューア」のレベルオーバーレイに加えた変更は、
「タ
イムライン」上のクリップのレベルオーバーレイにも反映されます。
∏
ヒント:オーディオレベルをより正確に調整するには、コマンドキーを押したまま「レベル」
スライダをドラッグします。
Â
レベルキーフレームボタン: 「レベル」スライダの右にあるキーフレームボタンをクリックす
ると、レベルオーバーレイの現在再生ヘッドがある位置にキーフレームが追加されます。キー
フレームを使用して、時間の経過と共にクリップのオーディオレベルを調整することができま
す。
Â
レベルキーフレーム移動ボタン: レベルキーフレームボタンの左右にあるこれらのボタンを
使って、再生ヘッドをレベルオーバーレイ上の
1
つのキーフレームから左隣または右隣のキー
フレームに移動することができます。
Shift
キーを押したまま
K
キーを押すか、
Option
キーを
押したまま
K
キーを押すこともできます。
Â
「パン」スライダ: このスライダには
2
つのモードがあり、
「ビューア」で開いたオーディオの
種類によってモードが変化します:
Â
オーディオタブのクリップ項目がステレオペアである場合、このスライダにより、両トラッ
クの左右のステレオ配置を同時に調整できます。デフォルト設定の−
1
では、左トラックが
左出力チャンネルに、右トラックが右出力チャンネルに送信されます。
0
に設定すると、ク
リップの左右のトラックが両方のスピーカーに均等に出力され、モノラルのミキシングが行
われます。+
1
に設定すると、チャンネルが入れ替わり、左トラックが右出力チャンネルに、
右トラックが左出力チャンネルに出力されます。
Â
オーディオタブのクリップ項目が単一のモノトラックである場合、このスライダを使って、
現在のオーディオタブのオーディオトラックを左右の出力チャンネル間でパンすることが
できます。
「レベル」スライダと同様に、現在のクリップにパンキーフレームがない場合は、
「パン」スラ
イダを動かすと、クリップ全体のパンが変化します。パンキーフレームがある場合は、このス
ライダを動かすと、以下のいずれかの状態になります:
Â
現在再生ヘッドがある位置のキーフレームのパンが変わります。
第
17
章
オーディオ編集の基本
291
IIIIIIII
Â
パンオーバーレイに新しいキーフレームが追加され、そのキーフレームの左右の出力チャン
ネルが変化します。
2
つのキーフレーム間のパン設定の変更は、
「ビューア」のオーディオタブにパンオーバーレ
イの傾斜として表示されます。
Â
パンキーフレームボタン:
「パン」スライダの右にあるキーフレームボタンをクリックすると、
パンオーバーレイの現在再生ヘッドがある位置にキーフレームが追加されます。キーフレーム
を追加すると、時間の経過と共にパンの設定を変化させることができます。
Â
パンキーフレーム移動ボタン: パンキーフレームボタンの左右にあるこれらのボタンを使っ
て、再生ヘッドをパンオーバーレイ上の
1
つのキーフレームから左隣または右隣のキーフレー
ムに移動することができます。左のボタンは再生ヘッドを左隣のキーフレームに移動し、右の
ボタンは右隣のキーフレームに移動します。
Â
「リセット」ボタン: このボタンは、現在選択されているオーディオトラックのレベルオーバー
レイとパンオーバーレイ上のマークされたすべてのキーフレームを削除し、レベルとパンの値
を取り込まれたときの状態(オーディオレベル
0dB
、パンレベル−
1dB
)に戻します。
Â
ドラッグハンド: これを使って現在のオーディオクリップを「キャンバス」、
「タイムライン」、
または「ブラウザ」にドラッグします。波形自体をクリックするとクリックしたフレームに再
生ヘッドが移動するため、このコントロールが必要になります。
Â
ルーラ: 「ビューア」のオーディオタブの内容を表示しているときは、互いにロックされてい
る
2
つの再生ヘッドが表示されます。「ビューア」の通常の再生ヘッドは波形表示部の下のス
クラバー・バーにありますが、波形表示部の中にも第
2
の再生ヘッドがあります。
波形表示部の上のルーラは、クリップの現在表示されている範囲を示します。限界までズーム
アウトすると(
Shift
キーを押したまま
Z
キーを押すと)、ルーラにはクリップの開始点から終
了点までが表示され、
「ビューア」のスクラバー・バー上の再生ヘッドの動きと波形表示部の
再生ヘッドの動きがほぼ一致します。
波形表示部の再生ヘッドを使用すると、オーディオクリップ内をより正確に移動できます。編
集を実行したりレベルやパンのキーフレームを設定(必要に応じて
1/100
フレームの精度ま
で)したりする際に参照するため波形を使用します。ルーラまたは波形表示部の任意の位置を
クリックすると、オーディオクリップのクリックしたフレームに再生ヘッドが移動します。再
生ヘッドをドラッグしてクリップをスクラブしたり、シャトルコントロールや
J
キー、
K
キー、
L
キーを使ってクリップ内でシャトル操作を行うこともできます。 波形表示部で
Shift
キーを
押したまま再生ヘッドをドラッグすると、
1/100
フレーム単位で再生ヘッドを動かして、フ
レーム以下の精度でトリム編集を行うことができます。
スクラバー・バー上の再生ヘッドは、
「ビューア」の「ビデオ」タブ上の再生ヘッドと同じよ
うに動作します。スクラバー・バー全体の長さは、
「ビューア」で開かれているオーディオ全
体の長さに相当し、スクラバー・バーをクリックするか、再生ヘッドをスクラバー・バー上で
ドラッグすると、クリップのその部分にただちに移動します。
ルーラにはクリップのマーカーとイン点およびアウト点も表示されます。
Â
ズームコントロール: このコントロールを使用してこのルーラを拡大または縮小して、クリッ
プの波形が表示される部分を増減することができます。
292
Part II
ラフ編集
Â
ズームスライダ: このスライダを使用すると、どちらかのツマミをドラッグして、表示される
波形のズームインとズームアウトを行うことができ、両方のツマミは調整されて、キーフレー
ムグラフの可視領域は中央に残ります。
Shift
キーを押したままいずれかのツマミをドラッグす
ると、反対側のツマミがロックされ、波形の可視領域はドラッグ方向に移動します。
これらのコントロールの使用方法およびレベルとパンの調整方法の詳細については、
Volume
3
の第
6
章「ビューアとタイムラインでオーディオをミキシングする」で説明しています。