マルチクリップシーケンスの例
以下の例では、
5
台のビデオカメラを使い、一貫して同期したタイムコードで素材を記録してい
ますが、すべてのビデオカメラがまったく同じ時間に開始されてはいません。その結果、同じタ
イムコード番号で同じ視覚イベントが表示されますが、取り込んだメディアファイルの開始タイ
ムコード番号がすべて同じにはなっていません。一部のクリップは互いに
1:00
(
1
秒)以内のオ
フセットがあり、その他のクリップは
10:00
(
10
秒)のオフセットがあります。この例では、そ
れぞれ
5
個のアングルを含む
3
個のマルチクリップを作成します。
マルチクリップシーケンス
「マルチクリップシーケンス
を作成」を使って
作成されたマルチクリップ
シーケンスの開始タイムコードは
最初のマルチクリップの
開始タイムコードと同じです。
シーケンスに
時系列で配置された
マルチクリップ
第
16
章
マルチクリップを操作する
257
IIIIIIII
例:開始タイムコードおよび「開始タイムコードのデルタタイム」オプションを使ってマルチ
クリップを作成する
開始タイムコードのオフセット値を調整し、
「アップデート」ボタンを押すと、クリップをマル
チクリップにグループ化する方法を正確に制御することができます。
開始タイムコードオフセットが
0:00
の場合
「開始タイムコードのデルタタイム」フィールドが
0:00
に設定されている場合、ほとんどのク
リップは個別のマルチクリップとしてグループ化されます。まったく同じ開始タイムコード番号
をもつクリップだけが一緒にグループ化されます。より多くのクリップをマルチクリップにグ
ループ化し、全体としてマルチクリップの数を少なくするには、もっと大きいタイムコードオフ
セットが必要です。
タイムコードオフセットが
0:00
に設定されています。
258
Part II
ラフ編集
開始タイムコードオフセットが
5:00
の場合
この例では、
5
秒の範囲内の開始タイムコード番号をもつクリップがグループ化されます。最初
のマルチクリップには
5
個のアングルが含まれていますが、その他のマルチクリップはまだ適切
にグループ化されていません。タイムコードオフセットをもっと大きくする必要があります。
開始タイムコードオフセットが
10:00
の場合
この例では、
10
秒の範囲内の開始タイムコード番号をもつクリップがグループ化されます。
3
つ
のマルチクリップがあり、それぞれ
5
個のアングルが含まれています。
タイムコードオフセットが
5:00
に設定されています。
タイムコードオフセットが
10:00
に設定されています。
第
16
章
マルチクリップを操作する
259
IIIIIIII
例:オーバーラップタイムコードおよび「最小オーバーラップ」オプションを使ってマルチク
リップを作成する
最小オーバーラップのパーセンテージ値を調整すると、マルチクリップのグループが自動的に更
新されます。アングルの各グループの開始タイムコード番号が大きく異なるときは、たいていの
場合、
「開始タイムコードを使用」オプションを使うよりもこの方法の方が高速で直感的に作業
できます。
最小オーバーラップが
100
%の場合
最小オーバーラップが
100
%に設定されている場合、タイムコード番号がぴったり一致したク
リップだけがグループ化されます。
260
Part II
ラフ編集
最小オーバーラップが
38
%の場合
この例では、最小オーバーラップを
38
%に設定すると、クリップはマルチクリップに適切にグ
ループ化されます。この値は非常に低く設定されているので、クリップがマルチクリップにグ
ループ化されるためには、最も長いクリップの継続時間の
38
%だけクリップ間でタイムコード
がオーバーラップしていれば済みます。素材のタイムコードに応じて、クリップを希望通りにマ
ルチクリップにグループ化するためにさまざまな値を設定する必要があります。
参考:最小オーバーラップのパーセンテージによっては、同じクリップが一度に複数のマルチク
リップにグループ化されることがあります。この場合は、最小オーバーラップを調整してこれを
修正するか、マルチクリップに含めないクリップのアングルを含めるチェックボックスのチェッ
クマークを外します。