Final Cut Pro 6 - ビット深度

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ビット深度

音量レベルの幅が無限であるアナログ信号とは異なり、デジタルオーディオサンプルは

2

進数

(ビット)を使用して各オーディオサンプルの強度を示します。各サンプルの精度は、ビット深

度で定義します。ビット深度が高いと、サンプリング時にオーディオ信号がより正確に表されま

す。ほとんどのデジタルオーディオシステムでサンプルごとに最小

16

ビットを使用しており、

65,536

許容レベルまで表すことができます(

24

ビットサンプルは

1600

万許容レベル以上を表

すことができます)。

ビット深度をより理解するには、各デジタルオーディオサンプルを、横木が等間隔になっている

はしごを無音からフルボリュームへ登っていくようなものと考えます。はしごのそれぞれの横木

1

つのサンプルが表すことができる許容ボリュームであり、横木の間の空間はサンプルが表す

ことができない中間ボリュームです。

オーディオサンプルレート

使用時

8 kHz

から

22.225 kHz

これらの低いサンプルレートは、マルチメディアファイルでのみ使われます。

32 kHz

一般的に、

32 kHz

DV

12

ビットオーディオで使用します。

44.1 kHz

このサンプルレートは音楽

CD

および一部の

DAT

レコーダーで使用します。

48 kHz

ほぼすべてのデジタルビデオ形式で、このサンプルレートが使用されています。

88.2 kHz

44.1 kHz

の倍数。

44.1 kHz

と互換性をもつ必要がある高分解能オーディオに役立

ちます。たとえば、最終的にオーディオ

CD

を作成する計画であれば、このサン

プルレートを選択するのが良いでしょう。

96 kHz

48 kHz

の倍数。オーディオポストプロダクションおよび 音楽録音に使用する、

業務用標準になりつつあります。

192 kHz

48

および

96 kHz

の倍数であり、これはほとんどの場合、プロによるの音楽録

音およびマスタリングに使用する非常に高分解能のサンプルレートです。

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30

Part I

オーディオミキシング

サンプルを作成すると、たびたびアナログ信号のオーディオレベルは横木の間の空間に落ちま

す。この場合は、サンプルを最も近い横木に丸める必要があります。デジタルオーディオサンプ

ルのビット深度は、横木の間の空間の狭さによって決まります。横木を多くすると(または横木

の間の空間が狭くなると)、より正確にオリジナルの信号を表せます。

量子化エラーが発生するのは、デジタルオーディオサンプルが想定されるアナログ信号の強さと

正確に一致しない場合です(つまり、デジタルオーディオサンプルがアナログ信号よりわずかに

高いかまたは低くなっている場合です)。また、量子化エラーは、オリジナルのアナログオーディ

オが不正確な数値で表されるため、丸め誤差とも呼ばれます。たとえば、オーディオ信号がちょ

うど

1.15

ボルトとすると、アナログ/デジタルコンバータではこれが

1

ボルトに丸められます。

使用できるビット値として

1

が最も近いためです。この丸め誤差が、デジタルオーディオ信号の

ノイズの原因になります。量子化ノイズは微量であっても、さらにデジタル処理を進めると大き

くなる可能性があります。量子化エラーを避けるために、必ずできる限り最も高いビット深度を

使うようにしてください。

右端のグラフは最高のビット深度を示しているので、オリジナルのアナログオーディオ信号の形

状がより正確にオーディオサンプルに反映されています。

たとえば、

1

ビットシステム(横木が

2

つしかないはしご)は無音またはフルボリュームのみ表

すことができ、その間には何もありません。これらの横木の間から落ちたオーディオサンプルは、

フルボリュームか無音のどちらかに丸める必要があります。このようなシステムはまったく精密

ではなく、スムーズなアナログ信号が丸められて、矩形の波形になります。

アナログ波形

オーディオのサンプル

サイン波

矩形派

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1

オーディオの基礎

31

IIII

サンプルあたりのビット数が増えると、各サンプルはオーディオ信号をより正確に表すことがで

きます。

丸め誤差を避けるには、機器がサポートする最高のビット深度を常に使用します。ほとんどのデ

ジタルビデオ機器では

16

または

20

ビットオーディオを使用しているので、これらのビット深度

のいずれかに限定されます。ただし、業務用のオーディオ録音機器は、通常は

24

ビットオーディ

オをサポートしており、

24

ビットが業界標準となってきています。

2

ビット

1

ビット

16

ビット

4

ビット

ビット深度

使用時

32

ビット浮動小数点

Final

Cut

Pro

」の「オーディオミ キサ」の内部分解 能です。フェーダ レベ

ルやエフェクト処理などのオーディオ演算を、エラーを最小限に抑えて高分

解能で行い、オーディオの品質を維持します。

24

ビット

これは、ほとんどのオーディオ録音形式でオーディオ業界の標準になりつつ

あります。たいていのプロ仕様のオーディオインターフェイスやコンピュー
タのオーディオ編集システムは、

24

ビットの精度で録音できます。

20

ビット

Digital Betacam

などのビデオ形式や

ADAT Type II

などのオーディオ形式で

使用されます。

16

ビット

DAT

レコーダ、

Tascam DA-88

および

ADAT Type I

マルチトラック、および

オーディオ

CD

は、すべて

16

ビットサンプルを使用します。

DV

のようなデ

ジタルビデオ形式の多くは、

16

ビットオーディオを使用します。

1

8

ビット

以前は、

CD-ROM

Web

ビデオでは

8

ビットオーディオがよく使われてい

ました。今日では、通常、

16

ビットオーディオの方が好まれますが、マルチ

メディアとして使われるオーディオを出力する場合は、利用できる帯域幅と

ターゲットユーザが使う機器との互換性を考慮する必要があります。

1

家庭用

DV

ビデオカメラの多くは

12

ビットモードを使用して

4

つのオーディオチャンネルを録音できますが、業

務用途にはお勧めできません。

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2

33

2