オーディオの音量を適正なレベルに設定する
オーディオの作業時には、制作の各段階で適切なレベルが設定されていることを確認する必要が
あります:
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制作: この段階では、ムービーに使用する素材を録音します。俳優の声、周囲の音、音楽など
です。オーディオ制作プロセスの中で、これは最初の重要なステップです。この段階で適切に
録音されなかったオーディオは、プロセスの後の段階で修正するのは困難です。オーディオ・
クリーンアップ・ツールがどれほど優れていても、適切に録音されたサウンドにかなうものは
ありません。
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取り込み: 制作したオーディオを「
Final
Cut
Pro
」に転送するときには、オーディオにできる
限り影響を与えない透過的な処理であることが必要です。ソース素材と取り込んだメディア
ファイルのオーディオレベルは、正確に一致している必要があります。
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オーディオピークの検出: サウンドが大きすぎるオーディオは歪みの原因となり、多くの場合
はそのまま生かすことができません。
「
Final
Cut
Pro
」でオーディオのピークを検出するには、
「マーク」メニューの「オーディオのピーク」 コマンドを使用します。
0 dBFS
フローティング
オーディオメーター
0 dBFS
を超えるレベル
マスター
オーディオメーター
第
3
章
オーディオメーターでレベルを評価する
63
IIII
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オーディオゲインとオーディオのノーマライズ: 複数のオーディオソースをカットしたりミ
キシングしたりする前に、さまざまなオーディオレベルが一致するようにノーマライズする必
要があります。サウンドが小さすぎるオーディオは、許容範囲のレベルまで引き上げてから、
ミキシングおよび出力を行います。
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ミキシングと出力: ミキシングおよび最終出力時には、オーディオトーンなどの参照オーディ
オレベルと比較して、オーディオレベルが一致していることを確認する必要があります。音の
大きい部分は一貫して音を大きく、音の小さい部分は一貫して音を小さくする必要があります
(ただし、ノイズにまぎれて音が聞こえなくなるほど小さくはしません)。変化に富んだミック
スを作成できるようにダイナミックレンジ(大小のサウンド間のレベルの変化)を十分に大き
くする必要がありますが、視聴者が最終的なムービーを見るときに常に音量を調整できるぐら
いの大きさにします。