例:キーフレームを使用して不透明度を変更する
この例では、
「
Final
Cut
Pro
」を使用して、時間の経過に伴って不透明度をダイナミックに調整
し、高度なマルチレイヤーエフェクトを作成する方法について説明します。ここでは、
2
つのク
リップを重ねて、クリップの不透明度を時間の経過に従って調整します。手前のクリップは、
フェードインして別のクリップの上に数秒間スーパーインポーズしてから、
(下のイメージがほ
とんど見えなくなるまで)不透明度を増して、その後に完全に消えます。
ズームコントロール
第
15
章
キーフレーム設定されたエフェクトのパラメータを調整する
303
IIIIIIII
1
同じ継続時間の
2
つのクリップを、シーケンスのそれぞれのビデオトラックに組み込みます。
参考:前に表示させるクリップをトラック
V2
に、もう一方のクリップをトラック
V1
に配置し
ます。
2
「ビューア」でトラック
V2
にあるクリップを開き、
「モーション」タブをクリックします。
3
「不透明度」パラメータの開閉用三角ボタンをクリックして、キーフレームグラフ領域にキーフ
レームグラフ線を表示します。
4
クリップ全体の不透明度を調節するには、以下のいずれかの操作を行います:
Â
数値フィールドの値が「
50
」になるまで、
「不透明度」スライダを左方向にドラッグします。
Â
「不透明度」数値フィールドに「
50
」と入力して、
Return
キーを押します。
Â
キーフレームグラフ領域の「不透明度」値のグラフ線の上にポインタを移動します。ポインタ
がレベル調整ラインに変わったら、数値フィールドの値が「
50
」になるまで、下方向にドラッ
グします。
5
「ビューア」の再生ヘッドの位置フィールドに、「
01:00:02:00
」と入力して再生ヘッドを移動し
ます。
片方のクリップを
トラック
V1
に、もう片方の
クリップをトラック
V2
で
スーパーインポーズし、
クリップを重ねます。
「キャンバス」の
イメージでは、両方の
レイヤーがブレンド
されて表示されます。
新しいタイムコード値を
入力すると、その位置に
再生ヘッドが移動します。
304
Part II
エフェクト
6
「不透明度」パラメータのキーフレームボタンをクリックし、再生ヘッドの新しい位置にキーフ
レームを作成します。
時間の経過に伴ってパラメータをダイナミックに変更するには、最低
2
つのキーフレームが必要
になるので、キーフレームをさらに追加する必要があります。
7
キーフレームグラフルーラで「
01:00:03:00
」に再生ヘッドを移動し、キーフレームをもう
1
つ作
成します。
8
キーフレームグラフ領域で、
「不透明度」キーフレームグラフ線上にある
2
つのキーフレームの左
にポインタを移動します。ポインタがレベル調整ラインに変わったら、数値フィールドが「
0
」
になるまで下方向にドラッグします。
「不透明度」
パラメータのキーフレームグラフ線に指定した形状により、
再生の最初の
2
秒間はトッ
プレイヤーが完全に非表示になります。数秒後、不透明度が
50
パーセントになると、両方のレイ
ヤーが均等にミックスされたように見えます。
「不透明度」キーフレーム
グラフ線に、
2
つめの
キーフレームを追加します。
不透明度が
50
パーセントの
セグメントでは、両方の
レイヤーが均等にミックス
されます。
0
パーセントから
50
パーセントに増加すると、
「タイムライン」のトラック
V2
の
クリップがトラック
V1
の
クリップの上に徐々に表示されて
きます。
0
パーセントのセグメントでは、
そのセグメントの継続時間の間は
トップレイヤーが非表示になりま
第
15
章
キーフレーム設定されたエフェクトのパラメータを調整する
305
IIIIIIII
9
再生ヘッドを「
01:00:04:00
」に移動し、さらに不透明度のキーフレームを追加します。
このキーフレームを移動して、傾斜のないキーフレームグラフ線のセグメントを作ることはでき
ないので、別のキーフレームを追加する必要があります。
10
再生ヘッドを「
01:00:05:00
」に移動し、さらにキーフレームを追加します。
11
この最後のキーフレームの不透明度の設定を
100
パーセントに調整します。
「不透明度」パラメータのキーフレームグラフ線の形状により、トップレイヤーの不透明度が、
1
秒間
50
パーセントにとどまってから、トップレイヤーは
100
パーセントまで不透明度を増し、
トラック
V1
のクリップが完全に不明瞭になります。
12
このシーケンスを完成させるため、最後に
1
つのキーフレームを追加し、最上位レイヤーを再び
フェードアウトします。再生ヘッドを「
01:00:06:00
」に移動し、別のキーフレームを追加してか
ら、
「不透明度」値を
0
に変更します。
∏
ヒント:上記の手順は、
「タイムライン」で不透明度オーバーレイを使って行うこともできま
す。詳細については、次の例を参照してください。
306
Part II
エフェクト