Final Cut Pro 6 - 時間のリマップの仕組み

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時間のリマップの仕組み

時間のリマップの目的は、メディアファイルの特定のフレームを「タイムライン」で指定した時

点に表示させることです。たとえば、クリップのメディアファイルのフレーム

100

でダイバーが

着水するシーケンスの最初のクリップがあるとします。また、音楽のキューがシーケンスのフ

レーム

300

にあるとします。この場合、時間のリマップを使用して、クリップのメディアファイ

ルのフレーム

100

をシーケンスクリップのフレーム

300

に移動できます。

Final

Cut

Pro

」は、

これを補間するためにメディアフレームの速度を遅くし、

300

の継続時間中に

100

フレームを継

続させます。

1

つのフレームの時間をリマップするだけで、

Final

Cut

Pro

」はほかのクリップ

の速度を適切な速度に調整します。

クリップのメディア
ファイルのフレーム

100

...

...

シーケンスクリップのフレーム

300

にあるミュージックキューに

そろうようにリマップされています。

早送り再生

スロー再生

フレーム

300

ミュージックキュー

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346

Part II

エフェクト

大部分の状況下では、クリップはメディアファイルのフレームを時系列に沿って再生します。

300

フレームから成るクリップがある場合は、メディアファイルのフレーム

1

から開始され、フレー

2

3

と順にフレーム

300

まで再生されます。時間のリマップを使用すると、時系列の変更、い

くつかのフレームのスキップ(早送り再生)

、またはほかのフレームの繰り返し(スロー再生)に

よって、クリップのメディアファイルのフレームが再生される時間を調整できます。

時間のリマップ処理は、フレームのリマップであると考えると理解しやすいかもしれません。こ

の処理は、クリップのメディアファイルのフレーム(入力フレーム)を、そのクリップ(出力フ

レーム)の別の時間にマップすることだからです。いくつかのキーフレームを設定するだけで、

Final

Cut

Pro

」は残りのキーフレームを自動的に補間し、なめらかな速度変更を随時作成します。

たとえば、

300

フレームのクリップを使用する場合は以下の例を参考にしてください:

Â

クリップのメディアファイルのフレームをフレーム

1

から順にフレーム

300

まで再生する代わ

りに、時間をリマップするキーフレームを設定してフレーム

300

から順にフレーム

1

まで再

生することができます。これは逆方向再生に見えます。

Â

クリップの

300

フレーム分の継続時間の間、クリップのメディアファイルのフレーム

1

を繰り

返すこともできます。これはフリーズフレームに見えます。

Â

クリップのメディアファイルのフレーム

1

が、クリップのフレーム

1

、フレーム

150

、フレーム

300

で再生されるようにキーフレームを設定することができます。再生中は、時間をリマップ

しているキーフレームの間に再生されるメディアファイルフレームを「

Final

Cut

Pro

」が補間

して、スムーズな速度変更を実現します。

時間のリマップの動作について理解を深めるには、クリップに対してさまざまな速度調整を適用

し、クリップの「モーション」タブまたは「タイムライン」のキーフレームエディタにある「時

間のリマップ」パラメータを見てください。

クリップに対してさまざまな速度調整を適用するには:

1

「タイムライン」でクリップを選択します。

2

「修正」>「速度」と選択するか、コマンド+

J

キーを押します。

3

ポップアップメニューから「可変速度」を選択し、

OK

」をクリックします。

時間のリマップキーフレームが、クリップの最初のフレームに

1

つ、最後のフレームに

1

つ追加

されます。各キーフレームにベジェハンドルが付いており、これによって最初は低速のクリップ

が徐々に加速して通常の速度になり、最後には通常の速度から徐々に減速して低速になります。

時間のリマップパラメータ表示の詳細については、

348

ページの「

クリップに割り当てられた時

間のリマップパラメータを表示する

」を参照してください。

時間のリマップを使用すると、再生するメディアファイルのフレーム(

y

軸)

、クリップのフレー

ムが再生される時間(

x

軸)を調整できます。

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17

クリップ速度と時間のリマップを変更する

347

IIIIIIII

Y

Y

軸はクリップのメディアファイルのフレーム数を表します。たとえば、クリップのメディア

ファイルに

300

フレームある場合、

Y

軸の範囲は

0

(最初のメディアファイルフレーム)から

299

(最後のメディアファイルフレーム)までとなります。

参考:クリップに対して設定されているイン点とアウト点とは関係なく、

Y

軸にはフレーム数が

表示されます。クリップのフレーム

100

にイン点、フレーム

200

にアウト点があったとしても、

クリップの

Y

軸はメディアファイルのフレーム

0

から始まり、フレーム

299

まで続きます。

Y

軸上のキーフレームに対する値を選択すると、クリップのオリジナルメディアファイルからフ

レームを選択していることになります。時間のリマップキーフレームを

Y

軸上で上下にドラッグ

すると、クリップのその時点に割り当てられているメディアファイルフレームがツールヒントに

表示されます。キーフレームを上に移動すると、クリップのメディアファイル内の後方のフレー

ムが選択され、キーフレームを下に移動すると、前方のメディアファイルフレームが選択されま

す。

Y

軸の一番上がクリップのメディアファイルの最終フレームを表し、 一番下が先頭フレーム

を表します。

X

X

軸はクリップの再生時間を表します。フレームは、常にクリップのフレームレートで再生され

ます。

X

軸の任意の点にキーフレームを設定すると、その瞬間に見たいクリップ内のメディア

ファイルフレームを指定することができます。

たとえば、クリップのメディアファイルのフレーム

100

をクリップ内で

2

秒間表示させたいとし

ます。この場合、クリップ上の時間のリマップキーフレームを

02:00

に設定します。その後、こ

のキーフレームを上下に調整して

100

の値にします。

クリップの最終フレーム

クリップの先頭フレーム

クリップのメディアファイルの

長さ(単位はフレーム)

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348

Part II

エフェクト