「キー」フィルタ
「キー」フィルタは、一般に、ビデオの前面の要素を切り抜いて別の背景に合成するためにビデ
オの背景領域をキーアウトするときに使用します。「キー」フィルタは、通常、
「マスクエッジ修
正」フィルタと一緒に使用します。このフィルタの適用法の詳細については、
421
ページの
第
20
章「
キーイング、マット、およびマスク
」を参照してください。
フィルタ
結果
青または緑バック
クリップの青または緑の領域 にキーを適用し、選択した色を 透明なマスク
として使うことによって、前面の要素を背景シーンに合成します。
「表示」ポップアップメニューから、クリップのソース(キーを適用する前
のクリップ)
、フィルタによって作成されたマット、完成イメージ、または、
参照用としてソース、マット、完成 イメージを特別に合成し たクリップを
表示する ことがで きます。「キー形式」ポ ップアッ プメニュ ーで、
「青」、
「緑」、または「青/緑差分」のいずれかをキーカラーとして選択できます。
「カラーレベル」スライダで、キーアウトするクリップの青または緑の量を
指定します。
「カラーの許容範囲」スライダを使用すると、キーカラーと異
なる色合いの隣接する領域にキーを拡張できます。
「エッジ調整(やせる/太る)」スライダでは、マット領域を拡張または縮
小して、もれを生成したり除去したりすることができます。
「エッジのぼか
し」スライダでは、マットのエッ ジをぼかして、よりなめら かなキーを作
成できます。
(この
2
つのスライダを使用する前に、まず「マスクエッジ修
正」フィルタを試してください。)
「反転」チェックボックスにチェックマー
クを付けると、マットが反転 し、マスクされた部分がベ タになり、ベタの
部分がマスクされます。
クロマキー
1
通常の青と緑など(これに限らない)
、必要な色の範囲を使用するキーを作
成できます。また、キーの定義に使用するカラー値、サチュレーション、ル
ミナンスの各範囲を同時にま たは個別に調整して、合成を微 調整すること
もできます。たとえば、
Luma
キーだけを実行した い場合は、カラーとサ
チュレーションを無効にする ことができます。カラーキーを 実行するとき
でも、カラーレンジコントロ ールと「サチュレーション」コ ントロールを
別々に操作することで、優れた結果が得られます。
カラーキー
クリップ内の任意の色でキー を適用します。カラーコントロ ールを使用し
てクリップから色を選択し、そ の色をキーカラーとして 指定できます。ク
ロマキーと呼ばれることもあります。
カラースムージング
- 4:1:1
カラースムージング
- 4:2:2
クロマキーの品質を改善し、ビデ オクリップでコントラスト の高い色の領
域に生じる、斜めの「階段状態」を削減します。
NTSC
または
PAL
の
DV-25
のビデオソースに対しては、「カラースムージ
ング
- 4:1:1
」を使用します。(
PAL
の
Mini DV/DVCAM
は例外で、
4:2:0
の
カラーサンプリングを使用します。
)
DVCPRO 50
、
DVCPRO HD
、および圧
縮をしていない
8
ビットまたは
10
ビットのビデオでは、「カラースムージ
ング
- 4:2:2
」を使用します。
クロマキーの品質を改善する ときは、まずクロマキーをかけ るクリップに
適切なスムージングフィルタ を適用します。さらにキーフィ ルタを追加す
る場合には、
「フィ ルタ」タブのビデオセクシ ョンで、
「カラー スムージン
グ」がはじめに適用したフィルタのままであることを確認してください。
第
13
章
ビデオエフェクトをインストールする/管理する
247
IIIIIIII
差分マット
2
つのクリップを比較し、似ている領域を除外します。「表示」ポップアッ
プメニューから、クリップのソース(キーを適用する前のクリップ)
、フィ
ルタによって作成されたマット、完成イメージ、または、参照用としてソー
ス、マット、完成イメージを特別に 合成したクリップを表示 することがで
きます。
「差分レイヤー」クリップウェルでは、別のクリップを指定し、キー
用に現在のイメージと比較できます。
「しきい値」スライダと「適応量」ス
ライダでは、キーを調整して、保存 するイメージの一部をテ ストして分離
できます。
Luma
キー
イメージの最も明るい領域ま たは最も暗い領域に基づいて マットを作成す
るという点を除き、クロマ(カラー)キーと似 ています。
Luma
値のキー
アウトは、キーアウトしたい明る い領域または暗い領域と保 護したい前面
のイメージとの間で露光の状 態が大きく異なるときに最も 効果的に機能し
ます。
「表示」ポップアップメニューから、クリップのソース(キーを適用する前
のクリップ)
、フィルタによって作成されたマット、完成イメージ、または、
参照用としてソース、マット、完成 イメージを特別に合成し たクリップを
表示することができます。
「キー形式」ポップアップメニューで、明るい領
域、暗い領域、近似色の領域、または 異色の領域のいずれを キーアウトす
るかを指定 します。「マット」ポッ プアップ メニュー で、このフィ ルタに
よって作成されたマットに基 づいて、クリップのアルファチ ャンネル情報
を作成するか、またはクリップの カラーチャンネルに適用す るコントラス
トの強いマットイメージを作成するかを指定します。
スピル除去(青)
「青または緑バック」を使ってクリップ内の青をキーアウトするときに、前
面のイメージのエッジ周辺に青のもれ(スピルと呼ばれます)が残ることが
あります。このフィルタは、色もれが 残っているエッジ部分 のサチュレー
ションを低くすることによって、青のもれを削除します。
「スピル除去(青)
」は、常に、
「ビューア」の「フィルタ」タブに表示され
るフィルタリストの中で、
「カラーキー」の次に表示されます。このことは、
イメージのカラーバランスに多少の影響を与えることがあります。
スピル除去(緑)
機能は「スピル除去(青)
」フィルタと同様ですが、青ではなく緑のもれを
削除する点が異なります。
1
「シーケンスの設定」ウインドウの「ビデオ処理」タブで、シーケンスを高精度レンダリングに設定している場合は、
32
ビット浮動小数点で動作します。
フィルタ
結果
248
Part II
エフェクト