放送用モニタを調整する
モニタは、
SMPTE
標準カラーバーを使用して調整します。ブライトネスとコントラストは、ス
クリーン上のカラーバーを使用して頻繁に目視で調整します。サチュレーションとヒューの調整
には、業務用ビデオモニタにある「青のみ」ボタンが関連します。この調整は、現場にいるか編
集室にいるかに関係なく、使用中のすべてのモニタで行う必要があります。
モニタを調整するには:
1
使用するモニタに、カラーバーまたはテストパターンジェネレータを接続します。
また、
「
Final
Cut
Pro
」に組み込まれているカラーバー・ジェネレータの
1
つを使用できます。
ただし、カラーバーの静止画グラフィックスは使用しないでください。
2
モニタの電源を入れ、安定した運転温度に達するまで最低
10
分待ちます。
3
カラーバーが画面に表示されるように、ビデオモニタで適切な入力を選択します。
カラーバーの右下付近には、色合いが異なる、
3
つの黒いバーがあります。各バーは、異なるブ
ライトネス値(
IRE
)に対応しています。これは
PLUGE
(
Picture Lineup Generating Equipment
)
バーです。
PLUGE
バーに基づいて基本となる純黒を確立し、ビデオモニタのブライトネスとコ
ントラストを調整できます。
4
モニタのクロミナンスレベルを最低まで落とします。
これは、より正確なルミナンス調整を行うことができるようにするための、一時的な調整です。
クロマコントロールは「カラー」または「サチュレーション」という名前になっていることがあ
ります。
5
モニタの輝度調節を調整して、左にある
2
つの
PLUGE
バーと隣の黒い四角形の区別がつかなくな
るようにします。
この時点で、一番明るいバー(
11.5 IRE
)はかろうじて見え、左の
2
本の
PLUGE
バー(
5 IRE
およ
び
7.5 IRE
)は同じレベルの黒に見えるはずです。
参考:ブライトネスのコントロールは、赤、緑、および青の信号のオフセットを変更することに
よって、ビデオ信号の黒レベルを調整します。
第
26
章
ビデオレベルを測定する/設定する
543
IIIIIIIIIIII
6
コントラストを最大にしてこのバーを明るくし、次に最低に戻します。
このバーがはっきりと表示されなくなる点が、モニタの正しいコントラスト設定です。(下の図
は、デモのために誇張してあります。
)
参考:コントラストのコントロールは、
RGB
信号が縮小/拡大される程度を調整します。
コントラスト調整の際には、左下の白い正方形にも注目してください。コントラストが高すぎる
と、白い正方形はまわりの正方形に「はみ出す」ように見えます。白い正方形のルミナンスが、
まわりの正方形に「はみ出す」状態が解消されるまで、コントラストを調整します。
7
ルミナンス設定の調整が終わったら、クロマコントロールを中央(戻り止めの位置)に戻します。
参考:ノブによっては、デフォルト位置で正確に止まるものがあります。これがノブの戻り止め
位置です。
モニタの輝度とコントラストが
正しく調整されているとき、
このストリップは黒の上で
微かに見える程度です。
544
Part III
色補正とビデオ品質制御
8
モニタの正面の「青のみ」ボタンを押します。
参考:このボタンは、通常は業務用モニタでのみ使用できます。
別々の色のバーすべてが、別の明るいバーと暗いバーに変化したことに注意してください。
Â
モニタが正しく調整されている場合: すべてのグレイバーが均等にグレイになっており、すべ
ての黒のバーは均等に黒になっています。
Â
外側の 2つのグレイバーが一致していない場合: モニタのクロマコントロールを調整して一致
させます。次にヒューコントロールを調整し、内側のバーを均一にします。
参考:
NTSC
ビデオと
PAL
ビデオのブライトネスレベルとコントラストレベルは、
RGB
コンピュー
タディスプレイと大きく異なります。放送用ビデオをコンピュータディスプレイで表示すると鈍
く暗く見え、同じビデオを放送用モニタで表示すると、明るくクリアに見えます。このため、上
のカラーバーは参照用であり、実際の表示を反映したものではありません。
モニタのフェーズ(ヒューに
類似)を正しく調整すると、
グレイと黒の交互のバーが
この図のように表示されます。
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545
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