「色補正」フィルタのレベルコントロールとサチュレーションコントロール
レベルスライダを使って、クリップ内の白、中間色、および黒のレベルを調整し、イメージのコ
ントラストを調整できます。あるクリップに合わせて別のクリップの色補正を行う場合の最初の
手順は、全体のルミナンスレベルを調整し基準クリップと一致させる作業です。これを行ってか
らでないと色を適切に調整することができず、思うような結果が得られません。
「サチュレーショ
ン」スライダを使って、イメージの色の強さを強く、または弱くします。
Â
「白」スライダ: スライダをドラッグして、対象となるクリップの白の最大レベルを調節しま
す。スライダを徐々に移動させるには、スライダの左右にある小さな矢印をクリックします。
スライダを左に移動すると白の最大レベルが下がります(たとえば、露出過多のクリップの白
をより許容できるレベルまで下げることができます)。
Â
「中間色」スライダ: スライダをドラッグして、対象となるクリップの白と黒の間の値の平均
的配分を調整します。スライダを徐々に移動させるには、スライダの左右にある小さな矢印を
クリックします。このスライダを使ってイメージの中間的な色調を調整し、白や黒を消さずに
イメージのはっきりとしたコントラストを増減することができます。たとえば、
「中間色」ス
ライダを操作して、クリップの影になった領域の細部を目立たせることができます。
Â
「黒」スライダ: スライダをドラッグして、対象となるクリップの黒の最小レベルを調節し、
イメージの絶対的な黒のレベルを増減します。スライダを徐々に移動させるには、スライダの
左右にある小さな矢印をクリックします。
Â
「サチュレーション」スライダ: このスライダは、影響を受けるクリップ内の全体のサチュレー
ションや色の強度を、強くまたは弱くします。スライダを左端までドラッグすると、クリップ
の色が完全になくなります。この結果、イメージはグレイスケールになります。スライダを右
にドラッグすると、対象となるクリップの色のサチュレーションが増します。スライダを徐々
に移動させるには、スライダの左右にある小さな矢印をクリックします。
参考:
「サチュレーション」スライダを使用してクリップのサチュレーションを上げるときに
は、十分に注意してください。サチュレーションを上げ過ぎると、放送に適さないサチュレー
ション値になることがよくあるためです。コンピュータ画面にどう表示されるかを見ながらク
リップのサチュレーションを調整するのは絶対に避けてください。コンピュータ画面上の
NTSC
と
PAL
のビデオでは、適切に調整された放送用の映像モニタのように生き生きと再現さ
れることは絶対になく、コンピュータ画面を基に調整するときは補正し過ぎる誘惑に駆られる
ことがよくあるからです。「クロマ超過」オプション(「表示」メニューの「レンジチェック」
サブメニューにある)を有効にして、サチュレーションを上げすぎたときには警告を発するよ
うに設定するのも賢明です。詳細については、
553
ページの「
適切に調整された放送用モニタ
を使用することの重要性
」および
524
ページの「
「ビューア」と「キャンバス」でルミナンス
超過とクロマ超過のレベルを表示する
」を参照してください。
574
Part III
色補正とビデオ品質制御