オフライン/オンライン編集処理でのオーディオの処理方法
オフライン/オンラインワークフローではビデオに集中しがちですが、オーディオはどのように
扱われているのでしょう。オーディオはビデオと比較してデータ要件が非常に低いため、オフラ
イン編集についても、ほとんどの場合オーディオはネイティブのサンプリングレートおよびビッ
ト深度で取り込まれます。つまり、オーディオは再取り込みを行わなくても最終ミキシングの準
備が完了しているということです。
オフライン編集フェーズでは、オーディオクリップをビデオと同期し、シーケンス内に配置し、
基本レベルの調整を行います。編集が完了したら、イメージはロックされ、オーディオはオー
ディオミキシングおよび加工フェーズでミキシングされます。オーディオは「
Final
Cut
Pro
」で
ミキシングすることも、オーディオファイルおよびオーディオ編集上の決定をオーディオ・ポス
トプロダクション・アプリケーションに転送することもできます。
第
5
章
オフライン/オンライン編集
59
IIII
オーディオのミキシングフェーズはビデオのオンライン編集セッションに似ています。ミキシン
グの目標は、レベルの正しい設定、パンの設定(サウンドをステレオあるいはサラウンドサウン
ド用に、異なるスピーカーに配置する)、必要に応じた任意のオーディオフィルタの使用により、
連続的で自然に聞こえるミックスを制作することです。オーディオミキシングが完了したら、オ
ンライン編集セッションに転送し、完成したシーケンスに(または完成したマスターテープに直
接)オーディオレイバックを行います。
「
Final
Cut
Pro
」でのオーディオミキシングの詳細につ
いては、
Volume 3
の
Part I
「オーディオミキシング」を参照してください。
シーケンスオーディオをオーディオ・ポストプロダクション・アプリケーションに転送するには、
以下の
2
つを書き出す必要があります:
Â
オーディオクリップ情報: イン点とアウト点、シーケンス内の場所、およびオーディオレベル
です。これを単純にオーディオ
EDL
(
Edit Decision List
)と呼ぶ人もいます。オーディオメ
ディア自体は含まれません。
Â
オーディオメディアファイル: シーケンス内のクリップから参照されている実際のメディア
ファイルです。
オーディオ編集上の決定を
OMF
、
AAF
、または
Final
Cut
Pro XML
互換形式などのプロジェク
ト互換形式に書き出すことができます。
EDL
は一部のオーディオアプリケーションによっても認
識可能です。
オーディオメディアファイルは
AIFF
、
WAVE
、
SD2
(
Sound Designer II
)、その他すべての
「
QuickTime
」がサポートしているファイル形式として書き出すことができます。
重要:
OMF
および
AAF
形式を使用して、シーケンス情報およびメディアファイルの両方を
1
つ
のファイルに書き出すことができます。このファイルは非常に大きくなることがありますが、必
要なすべてのオーディオデータが
1
つの独立再生形式のファイルにまとまっているのは便利で
す。
EDL
と
Final
Cut
Pro XML
互換形式のファイルにはシーケンス情報のみが含まれ、オーディ
オメディアは含まれません。つまり、プロジェクト互換ファイルに加えて、オーディオメディア
もミックスを行う業者に転送する必要があるわけです。
選択する互換形式は、お使いのオーディオアプリケーションが認識する形式によって異なりま
す。詳細については、
Volume
3
の第
10
章「オーディオをそのほかのアプリケーションでミキ
シング用に書き出す」を参照してください。
60
Part I
メディアおよびプロジェクトの管理