たいていのプロ仕様のビデオテープ形式では、
1
つのビデオトラック、
2
つ以上のオーディオ
トラック、
1
つのタイムコードトラック、および
1
つのコントロールトラックがあります。
コントロールトラックについて
テープ上のほかのトラックとは異なり、コントロールトラックは次のようにまったく実際的な
役割を果たします。信号を正確に出力するために、記録時とまったく同じ速度でテープを再生
しているかを確認します。コントロールトラックはビデオテープ上の電子パルスの連なりで、
再生中
VTR
は安定した再生のためにコントロールトラックに従って、キャプスタン(モーター)
の速度を上げたり下げたりします。これらのパルスは、ビデオテープの再生速度を正しく調整
する電子のスプロケット穴と言えます。
インサート編集では、ほかのトラックは元のままで個別のビデオ、オーディオ、またはタイム
コードトラックでさえ置き換えることができます。コントロールトラックについては、編集に
置き換えることは決してできません。インサート編集をするときは、新しいビデオやオーディ
オトラックを記録したら、
VTR
はコントロールトラックを使用してテープを適切な速度で再生
します。
コントロールトラックが途切れると、ビデオ信号が飛んだり、不安定な状態が数秒間続くこと
があるかもしれません。これは、
VTR
が、安定したコントロールトラックに依存して、ビデオ
デッキのモーターの速度を制御しているために起こります。欠損した、または不安定なコント
ロールトラックはモーターの速度が突然変わる原因となり、テープの適切な速度でビデオ信号
を読み取れないために、イメージを正しくスキャンできません。コントロールトラックの途切
れは常に顕著なものとは限らないかもしれませんが、プロの環境では受け入れがたいものです。
タイムコードトラックについて
タイムコードも、
DV
テープフォーマットでない別のトラックに記録されます。タイムコードに
より、コンピュータはビデオカメラまたはデッキを制御し、フレームが正確に一致したビデオ
クリップの読み込みや書き出しを行うことができます。
「ビデオにプリント」コマンドを使用し
ている場合、突然の途切れはタイムコードトラックに微妙なギャップを起こします。コントロー
ルトラックの途切れほど頻繁には起こりませんが、プロの環境では問題を起こす可能性があり
ます。
第
14
章
テープに編集を使用するアセンブル編集とインサート編集
201
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