フリッカーと見かけ上のフレームレートを理解する
ムービー画面は常に明るいわけではありません。映画館で映画を見ている場合でも同様です。映
写機のシャッターは、実は
1
フレーム進むごとにスクリーンへの光を遮断しているのですが、
シャッターが再び開くまで、残像現象のおかげで、人の目にはつかのまのイメージが残っていま
す。
目を閉じたとき、ほんの一瞬だけ、それまで見ていたものをまだ見ることができます。これは特
に、見ていたものが周囲の環境と比べて著しく明るい場合に起こります。この残像はとても短い
時間なので認識していないことが多いのですが、この現象のおかげで、高速で交換される静止画
を連続的に動いているものと信じることができるのです。
しかし、フレームレートが高くなればなるほど必要なフィルムも多くなり、より速く映写機を操
作する必要があり、ビデオの場合はより広い帯域幅が必要になります。ムービーを使った観客の
知覚テストによって、フリッカーレートを増加すると、イメージそのものはフリッカーごとに変
更していないにもかかわらず、モーションをよりスムーズに感じることが明らかになりました。
映写機のシャッターを
1
フレームに対し
2
または
3
回開閉することで見かけ上のフレームレート
(またはフリッカーレート)を増加し、画面上のフリッカーを目立たなくすることができます。そ
のため、映画は一般的に
24 fps
で表示されていますが、映写機のシャッターは
48 fps
(もしく
はそれ以上)で開閉されています。
1
秒間
60 fps
24 fps
付録
B
フレームレートとタイムコード
407
V
V
V
V
初期のテレビシステムは、異なるアプローチを使用して同じ結果にたどり着きました:
必要な電
気的な帯域幅を増やさずにフリッカーを増加するというものです。インターレース・スキャン方
式では、テレビのフレームにまずフレームの半分のビデオライン(これはフィールドと呼ばれま
す)を表示し、それから残りの走査線(もう一方のフィールド)を表示します。
1
つのフィール
ドは、半分の解像度であってもテレビ画面に効果的にイメージを表示し、フルフレームを表示す
る半分の時間ですみます。結果として、見かけ上のフレームレートは実際のフレームレートの
2
倍になります。
NTSC
では、フレームレートは
29.97 fps
ですが、見かけ上のフレームレート
(フィールドレート)は
59.94 fps
です。これによりフリッカーが少なくなります。
PAL
のフレー
ムレートは
25 fps
(または
50
フィールド/秒)と低めで、若干フリッカーが目立ちます。