フレームレートを選択する
映画のフィルムはほとんどが
24fps
で映写されます。しかし、テレビには国際的に認められてい
るフレームレートがありません。ヨーロッパとその他の多くの国で使用される
PAL
および
SECAM
方式は
25 fps
ですが、北アメリカおよび日本の
NTSC
ビデオ方式は
29.97 fps
です。その他の一
般的なフレームレートは、たいてい
25
か
29.97
の倍数です。
参考:あるフレームレートから別のフレームレートへビデオ形式を変換することは技術的に難し
く、しばしば視覚的な悪影響が生じます。これは特に、フレームレートが均等に分割されない場
合に起こります。たとえば、
30 fps
を
60 fps
へ変換するのは簡単にできますが、
29.97 fps
を
25
fps
に変換するのはかなりの困難です。さらに変換中、オーディオを確実に同期させるのも難し
い課題です。
付録
B
フレームレートとタイムコード
409
V
V
V
V
一部のデジタルビデオ形式は
1
つの形式の中で複数のフレームレートをサポートしており、さま
ざまなフレームレートでビデオを録画でき、フィルム(
24 fps
)とも互換性があります。
重要:
多くの人々が
29.97 fps
を
30 fps
として換算しますが、これはポストプロダクション中に
混乱を招きます。今日ではフレームレートに
30 fps
を使用することはほとんど無く、一般的に
29.97 fps
が使われます。はっきりわからない場合は、本当に
30 fps
という意味なのか、便宜上
29.97 fps
を切り上げただけなのかを確認してください。
フレームレート
メディア
説明
24
フィルム
高精細度ビデオ
一般的に普 及しているフィルム のフレームレートで す。世界中の映
画館で、ほぼ常 にこのフレームレ ートを使用します。高 精細度形式
の多くはこ のレートでビデオを 録画および再生でき ますが、通常は
23.98
が選択されます(下を参照)。
23.98
(
23.976
)
フィルム
NTSC
互換の
高精細度ビデオ
NTSC
24 fps
の速度を
99.9%
(
1000/1001
)に落として、フィルムを
NTSC
ビデオに簡単に変換できるようにしたものです。高精細度ビデオ形式
の多く(および一部の
SD
形式)はこのレートで録画でき、
NTSC
と
互換性があるので真の
24 fps
よりもこちらが好まれます。
25
PAL
高精細度ビデオ
ヨーロッパのビデオ標準です。
PAL
ビデオでの編集または配布用に、
25 fps
でフィルムを撮影することもあります。
29.97
NTSC
高精細度ビデオ
1953
年以来使われているカラー
NTSC
ビデオ標準です。この値は、
不正確ですが
30 fps
と見なされることもあります。
30
高精細度ビデオ
初期の白黒
NTSC
ビデオ
一部の高精細度カメラには
29.97 fps
ではなく
30 fps
で録画できる
ものもあ ります。
NTSC
ビデオ信号 にカラーが追加さ れる前は、フ
レームレートは本当に
30 fps
でした。しかし、この形式は今日では
ほとんど使用されません。
50
PAL
高精細度ビデオ
これは
PAL
のインターレース・フィールド・レートです(フレーム
レートの
2
倍)
。一部の
1080i
高精細度カメラはこのフレームレート
で録画できます。
59.94
NTSC
互換の
高精細度ビデオ
高精細度カメラはこのフレームレートで録画して、
NTSC
ビデオに変
換できます。これは
NTSC
ビデオのインターレ ース・フィールド・
レートでもあります。この値は
60 fps
と見なされることもあります
が、本当に
60 fps
という意味でない限り、
59.94 fps
を使用してくだ
さい。
60
高精細度ビデオ
たいていの 高精細度機器はこのフ レームレートで再生お よび録画で
きますが、
NTSC
と互換性があるので
59.94 fps
のほうが一般的です。
410
Part V
付録