プルダウン
2:3:2:3 プルダウンとも呼ばれ、フィルムを
NTSC
ビデオへ転送する標準的なテレシネ方式です。
フィルムを
24 fps
から
23.98 fps
に
0.1
パーセント(係数
1000/1001
)遅くしてから、
2:3:2:3
の
フィールドパターンを繰り返しながら各フレームをインターレース方式のビデオに変換します。
以下の図で、フィルムフレーム
A
、
B
、および
D
は、ビデオフレーム
1
、
2
、および
5
にマップ
されています。しかし、フィルムフレーム
C
はビデオフレーム
3
と
4
で
2
つのフィールドに分
割されているため、プルダウンを取り除くにはインターレース除去が必要になります。これは、
アドバンスド(
2:3:3:2
)プルダウンなどのプルダウンパターンの削除よりもプロセッサの負荷が
高くなります。プルダウンを取り除く処理では、一般的にパターン内の
A
フレームを手動で見分
ける必要があります。これには、
1
フレームずつ素材を移動させてプルダウンのパターンを確認
することで、視覚的に判断します。
24
と
23.98
fps
24p とは
24
フレーム/秒を意味しますが、
24
という値は通常は正確ではなく、実際には、
NTSC
規格を使用した撮影では多くの場合、
23.976
fps
のフレームレートが使用されます(一
般に 23.98 fps と呼ばれます)。一方、
PAL
に転送される
24
fps
素材や、ほとんどの映画は、
正確に
24
fps
で録画されます。
「
24p
」と呼ぶ方が簡単のようですが、オーディオポストプロダクションなどのケースでは、素
材の正確なフレームレートを示すことはとても重要です。
付録
C
24p
ビデオを使って作業する
419
V
V
V
V
先にプルダウンを取り除かないで
3:2
プルダウン素材を編集する場合は、編集操作ごとに
5
フ
レームのプルダウンのタイミングに合うように注意する必要があります。同じフレームを繰り返
したり、フレームの順序が狂ったりするなど(
A
、
B
、
A
、
B
、
C
、
D
など)、タイミングのずれた
編集が存在すると、逆テレシネ処理での誤認識の原因になります。通常は、
29.97
fps
プルダウ
ン素材は編集しないでください。素材のプルダウンを取り除いてから
23.98
fps
で編集した後、
出力で再度プルダウンを挿入します。
一部の
NTSC
および
1080i60 HD
のビデオカメラでは標準プルダウンを使って録画できますが、
24p
ビデオの録画ではアドバンスドプルダウンを使うことをお勧めします。ただし、最終的にテ
レビや
DVD
で再生する場合は、動きで最高の品質が得られるように
3:2
プルダウン方式が一般
的です。
プルダウン前
(
23.98 fps
)
A
B
A
B B
C
C
D D D
A A B B B C C D D D A A B B B C C D D D A A B B
C C D D D A A B
B
B
C
C
D D D A
B
A
B B
C
C
D D
B
D
A
B
C
D A
D A
B
C
D A
B
C
D A
B
C
D
A
B
C D
B
C
A
B
C
D
A A
B
B
C
C
D
D
Field
1
Field
2
Field
1
Field
2
Field
1
Field
2
Field
1
Field
2
D
Field
2
B
Field
1
A
B
A
B B
C
C
D D D
A
B
C
D A
D A
B
C
D A
B
C
D A
B
C
D
A
B
C D
B
C
A A B B B C C D D D A A B B B C C D D D A A B B
C C D D D A A B
B
B
C
C
D D D A
B
A
B B
C
C
D D
B
D
A
B
C
D
A A
B
B
B
C
C
D D
D
Field
1
Field
2
Field
1
Field
2
Field
1
Field
2
Field
1
Field
2
Field
1
Field
2
プルダウン:
3:2
プルダウン後
(
29.97 fps
)
逆プルダウン前
(
29.97 fps
)
逆プルダウン後
(
23.98 fps
)
1
秒間
逆プルダウン:
3:2
420
Part V
付録
2:3:3:2