Final Cut Pro 6 - 「Final Cut Pro」での場面の切り出しと取り込みの方法

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」での場面の切り出しと取り込みの方法

ノンリニア編集システムが始まった頃には、切り出しと取り込みのワークフローは

1

つしかあり

ませんでした。クリップを作成するために最初に切り出してから、選択したクリップのメディア

をバッチ取り込みする、という手順です。ハードディスクの容量に限りがあり、編集者が何を取

り込むかを吟味しなくてはならなかったため、このワークフローが必要でした。依然としてこの

ワークフローが有効なプロジェクトもありますが、最初に場面を切り出してからバッチ取り込み

する必要はなくなりました。

最近では、編集者は安価で容量の大きなハードディスクを使用してテープ全体を取り込み、その

後で切り出すことができるようになりました。場面がハードディスク上にあれば、テープ上にあ

る場合より効果的に再生することができ、切り出しをより速く行うことができます。

Final

Cut

Pro

」では、大部分の切り出しと取り込みを「切り出しと取り込み」ウインドウで行

いますが、取り込み後に「ブラウザ」を使用してクリップに切り出し情報を追加することも可能

です。最も一般的な切り出しと取り込みのワークフローを以下で説明します。

「切り出しと取り込み」ウインドウを使用してテープを切り出してからバッチ取り込みする

これは伝統的な切り出しと取り込みの手法です。この場合、

Final

Cut

Pro

」に接続されたデッ

キまたはビデオカメラでビデオテープを再生して場面を確認します。

Final

Cut

Pro

」に転送さ

れるタイムコード情報を使用してイン点とアウト点を設定し、オリジナルのビデオテープの部分

を表すクリップを作成することができます。切り出しが終了してから、プロジェクトに必要と思

われるクリップのみのメディアを取り込みます。大量のクリップのメディアファイルを一度に取

り込むことを、バッチ取り込みと呼びます。

Â

切り出し:

「切り出しと取り込み」ウインドウの「切り出しクリップ」ボタンを使用します。

Â

取り込み: プロジェクトで使用するために選択したクリップのバッチ取り込みが行われます。

「切り出しと取り込み」ウインドウを使用しクリップを一度に切り出す/取り込む

この方法では、

Final

Cut

Pro

」に接続されたデッキを使用してクリップを切り出しますが、切り

出した直後に各クリップを取り込みます。すべての方法の中で、これはおそらく最も時間のかか

る方法です。なぜなら、半自動化されているバッチ取り込みとは異なり、切り出した直後に各ク

リップが取り込まれるのをユーザが確認しなければならないためです。

効率的ではない一方で、この方法は最も確実であり、自動化されたバッチ取り込みで起こりうる

いかなる問題も回避することができます。テープに予期されないタイムコードの途切れが多数あ

る場合、または、単にテープから

1

つか

2

つのクリップを切り出して取り込みたい場合は、この

方法が向いているでしょう。

Â

切り出しと取り込み: 「切り出しと取り込み」ウインドウの「クリップ」の取り込みボタンを

使用し、クリップをプロジェクトに切り出し、その直後にメディアファイルを取り込みます。

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15

切り出しと取り込みの概要

237

IIIIV

V

V

V

テープ全体を取り込み、

「ブラウザ」でサブクリップを作成して切り出す

最近では、大容量のハードディスクが入手しやすいことから、一般的になりつつある方法です。

場面を選択してハードディスクに転送するのではなく、テープ全体を取り込みます。ディスクに

転送された後で、場面をより小さなサブクリップに分割したり、

「ブラウザ」で切り出し情報を

追加したり、ハードディスクから不要なメディアを削除したりすることができます。

Â

取り込み:

「切り出しと取り込み」ウインドウの「今取り込む」ボタンを使用して、テープ全

体を取り込みます。

Â

切り出し:

「ブラウザ」で、各テープを表しているクリップをより小さなサブクリップに分割

し、切り出し情報を追加します。

Â

メディア管理: サブクリップを作成した後で、各サブクリップごとに大きな画像メディアファ

イルをより小さなメディアファイルに分割し、プロジェクトで必要のないメディアを削除する

ことができます。この結果、クリップに使用したいメディアファイルのみが残ることになり

ます。

この方法にはいくつかの利点があります:

Â

テープ全体の取り込みは、メディアファイルをハードディスクに取り込む際にテープ全体を

1

回だけ再生すればよいので、従来の取り込み方法よりもテープの摩耗が少なくなります。

Â

取り込み後にハードディスク上のメディアを切り出すと、任意のフレームに即座にアクセスで

きるため、テープベースの切り出しよりも速くなります。特定のショットを何回も再生するた

めに、ループ再生することも可能です。テープ上で何回も再生すると、ディスク上で再生する

よりも時間がかかります。

参考:非圧縮ビデオ形式を使用している場合、ハードディスクが急速に安価になってきていると

はいえ、それでもテープ全体の取り込みに必要なハードディスクの空き容量が多すぎる可能性が

あります。非圧縮ビデオの編集をしている場合は、テープを先に切り出してから、選択した領域

を取り込む方がコスト効率がよいことがあります。

他のアプリケーションで切り出し、バッチリストを読み込んでクリップをバッチ取り込みする

編集者によっては、

Final

Cut

Pro

」以外で場面を切り出してから、クリップのバッチリストを

読み込んで自動的にバッチ取り込みをする方法を好みます。

Â

切り出し: 表計算やデータベースのアプリケーションでクリップ名、リール名、メディアの開

始点と終了点、その他の切り出し情報を入力して、タブ区切りのテキストファイルとして保存

し、その後このバッチリストを「

Final

Cut

Pro

」に読み込みます。

Â

取り込み: プロジェクトで使用するために選択したクリップのバッチ取り込みが行われます。

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238

Part IV

切り出し、取り込み、および読み込み

クリップを直接「ブラウザ」内で作成し、それをバッチ取り込みする

「ファイル」メニューの「新規オフラインクリップ」コマンドを使用し、クリップを直接「ブラ

ウザ」内で作成することが可能です。関連する切り出し情報を入力してから、クリップをバッチ

取り込みすることができます。この方法は、少数のクリップしか作成しない場合や、他の場所で

切り出したクリップの手書きのリストがある場合に便利です。それ以外の場合は、バッチリスト

を作成して読み込む方が速いでしょう。

Â

切り出し: 「ブラウザ」内でクリップを作成してから、リール番号、

「メディアの開始」と「メ

ディアの終了」点、およびその他の追加の切り出し情報を「ブラウザ」のさまざまな列に追加

します。新規オフラインクリップをすばやく作成するために、

「新規オフラインクリップ」コ

マンドにショートカットキーを割り当てることができます(

148

ページの「

キーボード・ショー

トカットを割り当てる

」を参照してください)。

Â

取り込み: 作成したクリップをバッチ取り込みして、オンラインにします。

ビデオカメラまたは

VTR

のテープを使わずに「切り出しと取り込み」ウインドウで切り出す

手書きのクリップリストや切り出し情報がすでにある場合は、

「切り出しと取り込み」ウインド

ウを使用して「

Final

Cut

Pro

」で手動でクリップを作成することができます。これはテープの切

り出しと同じ方法で動作しますが、

VTR

が実際に接続されているわけではありません。これは直

接「ブラウザ」でオフラインクリップを作成するのとは別の方法です。

Â

切り出し:

「切り出しと取り込み」ウインドウの「切り出しクリップ」ボタンを使用します。

Â

取り込み: 作成したクリップをバッチ取り込みして、オンラインにします。

重要:

ビデオ装置のテープを使わずに

NTSC

の場面からクリップを作成する場合は、

Final

Cut

Pro

」がテープ自体から直接タイムコードを読み取ることはないので、不正なタイム

コードのタイプを入力してしまう危険性が常に伴います(ノンドロップフレームとドロップフ

レームを取り違えるなど)。

「切り出しと取り込み」ウインドウに手動でタイムコードを入力して

いるときに、デバイスにテープがない場合には、使用しているデバイスコントロール・プリセッ

トの「デフォルトタイムコード」ポップアップメニューが適切なタイムコードに設定されている

ことを確認してください。

(詳細については、

Volume

4

の第

26

章「デバイスコントロール設定

およびプリセット」を参照してください。

「切り出しと取り込み」ウインドウで

Control

キーを

押しながらタイムコードフィールドのイン点とアウト点をクリックして、ドロップフレームタイ

ムコードかノンドロップフレームタイムコードかを選択することもできます。

他のアプリケーションで作成された

Final

Cut

Pro XML

を読み込んでからクリップをバッチ取り

込みする

Final

Cut

Pro XML

互換形式を使用すると、シーケンス、ビンおよびクリップを含むプロジェク

ト全体を表すことが可能です。

XML

に対応するアプリケーションを使用すれば、

Final

Cut

Pro

XML

互換形式でプロジェクト全体を作成し、その

XML

ファイルを読み込みんで、クリップを

バッチ取り込みすることができます。これはバッチリストの読み込みに似ていますが、

XML

使用することでクリップだけでなく、ビンやエフェクトなども作成することができます。

Â

切り出し:

XML

ファイルを「

Final

Cut

Pro

」に読み込みます。

Â

取り込み: 作成したクリップをバッチ取り込みして、オンラインにします。

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