Final Cut Pro 6 - 音の強度を測定する

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音の強度を測定する

私たちの耳は空気中の振動に対し、著しく敏感です。人間の聴力のスレッショルドは約

20

マイ

クロパスカル(

µP

)であり、気圧としては非常に微量です。それとは反対に、人間が苦痛や耳の

ダメージなく耐えられる最大の音は、約

200,000,000 µP

です。たとえば、大音量のロックコン

サートや離陸するジェット機のすぐ近くなどがこの音量です。

人間の耳はこのように広範囲の強度を扱うので、音圧のレベルを均等目盛で測定するのは不便で

す。たとえば、人間の可聴範囲を定規で測ろうとすると、その目盛は

1

フィート(最小音量)か

3000

マイル(最大音量)以上になります。この幅広い範囲の数を扱いやすくするためには、対

数単位であるデシベルを使用します。対数は、指数の値を均等目盛で表します。たとえば、

10

底とする対数では

10

10

1

)と

1,000,000,000

10

9

)は、このような広範囲な数を

1

9

で表すこ

とができ、より便利な尺度になります。

パーカッションの音量エンベロープ

持続する音量エンベロープ

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1

オーディオの基礎

23

IIII

私たちの耳は音圧に対数的に反応するので、対数目盛を使用することは私たちが音の大きさを感

知する方法に対応しています。オーディオメーターと音声測定機器は、オーディオレベルをデシ

ベルで表示するよう特別に設計されています。オーディオメータの下部における小さな変化は、

信号レベルでは大きな変化を表し、上部に行くほど小さな変化は信号レベルでの小さな変化を表

します。このため、オーディオメーターは定規、温度計および速度計などの均等目盛の測定機器

とはだいぶ異なります。知覚的な音の大きさは直線的に増加するように感じますが、音圧のオー

ディオメーターの各単位は指数的な増加で表現されます。

重要:

オーディオをミックスするときに、対数とデシベルの数学的背景を気にする必要はありま

せん。音量を一定量増加するには、指数的に強くなる音圧が必要であることに注意するだけです。