Final Cut Pro 6 - アナログメーターとデジタルメーター

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アナログメーターとデジタルメーター

デジタルメーターのレベルを設定する方法は、アナログメーターでレベルを設定する方法とは異

なります。従来のアナログオーディオメーターとデジタルオーディオメーターを比較します:

デジタルメーターは、デジタルオーディオ信号のサンプリング値を表示します。メーター上の目

盛りは、デジタルフルスケールと呼ばれ、信号は

dBFS

で測定されます。この目盛り上では、

0

dBFS

が最大許容サンプリング値を表します。

0 dBFS

を超えるサンプルはすべてクリッピングさ

れ、オーディオ波形のオリジナルの形状を歪めます。一度信号がクリッピングされると、波形の

オリジナルの形状を復元することはできません。

一般的な

VU

メーター

デジタル

オーディオメーター

–30

–20

–10

–7

–4

–2

0

+2

+4

+7

–66

dB

dBFS

–36

–24

–18

–12

–6

0

–48

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3

オーディオメーターでレベルを評価する

59

IIII

重要:

Final

Cut

Pro

」では、内部のすべてのオーディオ処理に

32

ビット浮動小数点の分解能

で、

0 dBFS

を超えるデジタルオーディオレベルを処理できます。ただし、テープに書き出しま

たは出力する場合、オーディオのビット深度は通常は

16

ビットまたは

24

ビットに下がるので、

0 dBFS

が限界であることを認識しておく必要があります。

オリジナル

0 dBFS

0 dBFS

0 dBFS

ゲインが高すぎると
クリッピングします。

ゲインを低くしても
クリッピングしたままです。

アナログの

0 dB

とデジタルの

0 dBFS

オーディオが「

Final

Cut

Pro

」内ではデジタル専用であったとしても、そのオーディオはどこか

の時点でアナログになります。ほとんどのデジタルワークフローでは、最初にマイクを使って最

後にスピーカーで出力することになりますが、これらは両方アナログ機器です。

アナログメーター上では、

0 dB

はデバイスの最適な録音または出力レベルです。電圧が高すぎ

ると、歪みが生じます。電圧が低すぎると、デバイスから発生するノイズで音が消されてしま

うことがあります。デジタルメーター上では、

0 dBFS

はクリッピングしない最大許容オーディ

オレベルを意味します。

Final

Cut

Pro

」のメーターを見る際には、信号レベルがアナログメーターとどのように対応

しているのかを考える必要があります。特に、アナログメーターの

0 dB

に対応するデジタル

メーター上のポイントを選ぶ必要があります。このポイントを超える部分には、たまに発生す

るピークのためのヘッドルームがあるため、このポイントに平均の信号レベルを置く必要があ

ります。書き出しまたは出力中に

0 dBFS

を超えたオーディオではすぐにクリップが起こり音

が歪むので、デジタルオーディオではヘッドルームは特に重要です。

平均オーディオレベルとして選択したレベルは、ミックスの潜在的なダイナミックレンジに影

響を与えます。許容される平均信号が低いほど、平均音量と最大音量の差が大きくなり、より

大きなダイナミックレンジが提供されます。ただし、平均レベルを選択して、最も小さい音と

ノイズレベルを明確に区別できるようにする必要もあります。