Final Cut Pro 6 - 適切なオーディオモニタリング環境をセットアップする

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適切なオーディオモニタリング環境をセットアップする

部屋の形状と材質は、スピーカーそのものと同じくらい重要な要素です。部屋の内部のあらゆる

表面が音を反射する可能性があり、それらの反射音はスピーカーが発する元の音と混ざります。

壁が平行している部屋では定常波が起こります。定常波はほとんどが周波数の低い音波で、行っ

たり来たりする過程でお互いを強めたり消したりします。

定常波は、聞き手の位置によって、ある周波数をほかより減衰したり増幅したりします。定常波

が生じる部屋でミックスする場合、特定の周波数を必要以上に調整してしまう場合があります。

この場合、別の視聴環境でオーディオを再生して、調整した周波数が大きすぎたり小さすぎたり

することに気付かなければ、過剰な調整を見落とす可能性があります。

ヒン

ント

ト:

:新しくわざわざ壁を作るよりもっと安価に済む方法として、既存の壁に「バストラッ

プ」

(低音を吸収する吸音材)を取り付ける方法があります。バストラップによって、室内の表

面が平行ではなくなるため、低い周波数のエネルギーが吸収されます。

音を多く反射する素材が使われている部屋では、高い周波数の音の方が反射されやすいことか

ら、サウンドが「明るく」なります。音を吸収する素材(吸音材など)を壁に設置すると、部

屋のブライトネスを下げることができます。

「デッドルーム」とは、反響(またはリバーブ)が

ほとんどない部屋のことです。モニタリング環境では、音を反響しやすい表面をすべて別の素

材で覆うようにしてください。

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Part I

オーディオミキシング